トイレが詰まってしまったときは、状況にかかわらず焦りや不安を感じてしまうものです。
さらに、詰まり対策道具がないときや早朝深夜などに詰まりが発生すると、できる対応が限定されるため、なおさら困ってしまうケースが考えられます。
こうした緊急事態が発生した時に「どのように対策を取るべきか?」「応急処置として何ができるか?」ということを理解しておくことは非常に重要です。
トイレつまりの緊急対策の基本
トイレつまりの応急処置をする際に必ず押さえておきたいのは誤った対応を取らずに冷静な対応を取ることです。
基本事項として特に重要なポイントは3点あります。
無理に水を流さない
トイレが詰まったときには、つい水を2回3回流してしまうことはよくあることです。
流れなかったのが何かの間違いではないかと思って再度レバーを回してみたり、水流でつまりが解消されることを期待したり、理由はいろいろあると思います。
しかし無理に水を流して状況を悪化させてしまうと、対処の際に余計に手間がかかってしまったり修理費が高くついたりしてしまうことがあるため注意が必要です。
復旧するまではトイレを使用しない
トイレが復旧するまでは、使用を控えましょう。トイレを使用したいときの対策は以下の通りです。
- 別のトイレを使用する
※2つ以上トイレがあるご家庭の場合。ただし、トイレが連動して詰まることもあるため、必ずもう一方のトイレが詰まっていないことを確認してから使用する - 公共の施設や店舗の来客用トイレを借りる
- 非常用のトイレを購入して使用する
悪化を防ぐためにも二次被害を防ぐためにも、詰まった状態のトイレはそのままの状態にしておきましょう。
タンクの水を止める
タンクの不調(流水量が少ない・タンクが水漏れして容量が減っているケースなど)の場合には、タンクからの流水を止めることも重要です。
応急処置の第1歩として、トイレの個室内にある止水栓を閉めて、水漏れが起こらないように対策しましょう。
トイレつまりの緊急対策1:身近なもので代用する
具体的にトイレつまりの緊急対策について解説します。
例えば、トイレ詰まり対策道具がないときや深夜にトイレが詰まったときなどは、身近にあるもので「つまり」の対策や応急処置などが施せる場合があります。
5種類の具体的な方法を解説します。
ゴム手袋
清掃用のゴム手袋は、トイレのつまりに利用できます。ゴム手袋を使用した「つまり」の解消法は2通りあります。
直接詰まっているものを拾い上げる方法
トイレの排水口に手を入れて、詰まっているものを直接拾い上げます。
「つまり」が排水口近くの部分で起こっているときに効果的です。
握りこぶしを作って簡易的なスッポンのようにする方法
ゴム手袋をして汚れないようにしっかりと対策をします。
拳を作って、排水口の箇所に何度か出し入れを繰り返すことで、つまりを解消します。スッポンよりは効果が劣るものの、トイレットペーパーや排せつ物の詰まりに有効です。
もし、ゴム手袋もない場合には、ビニール袋を2~3枚重ねることで代用できます。重ねるのは、破れて手が汚れるのを防ぐためです。
ペットボトル
ペットボトルとハサミかカッターナイフがあれば、簡易的なラバーカップを作成できます。
作る方法は、500ccのペットボトルを底から4cm程度真っ直ぐ切り落とすだけです。
ペットボトルの使用手順は以下のとおりです。
- ゴム手袋を装着します
- 底面を切り落としたペットボトル(キャップを外した状態)を用意して、フタの部分の親指でしっかり押さえ空気が逃ていかないようにします
- 排水口にラバーカップを出し入れします
ラバーカップほどうまく密封状態を作れないため、パワーは劣りますが仕組みは同じです。
ハンガー
形を自在に変化させられるハンガーを使用して、トイレの詰まりをほぐすこともできます。比較的トイレの手前側に詰まりが生じている時に有効な手順です。
使用手順は以下のとおりです。
- 細めの針金ハンガーを用意して、真っ直ぐに伸ばします
- トイレに入れる側の先端をビニールテープなどで覆います(傷をつけないようにするため)
- 排水路の形を確認して、少しずつ折り曲げて形を変えたりしながら、つまりの箇所までハンガーの先端をもっていきます
- ハンガーの先端でほじくるようにして、詰まりの除去をおこないます(固形物が詰まっているときは、ハンガーで引き寄せて、手で拾い上げます)
バケツ+お湯
トイレットペーパーや排せつ物が詰まったときには、お湯で溶かす方法もあります。
本来、トイレットペーパーや排せつ物は水に溶けるものです。
しかし、一度にまとめて流したときや、排水路に汚れや尿石がたまっていて排水管が短くなっていたりするときには、つまりが生じます。
バケツとお湯を使用した対策は、以下のとおりです。
- 灯油用ポンプを使ってトイレの水を抜きます
- バケツに40~50℃のお湯を用意します(分量は便器容量の半分程度)
- 高い位置から、少量ずつお湯を流します
- 30分程度そのまま待ちます
高い位置から流すのは、お湯の温度が冷める前に詰まっている位置までお湯が到達するようにするためです。
ただし、多くの便器は急な温度変化に弱い性質を持っているため、熱湯を使用しないようにしましょう。
ラップフィルム(サランラップ)
サランラップなどのラップフィルムを使用して、つまりを解消する方法もあります。
方法は、以下のとおりです。
- 便座の中ぶたを挙げた状態で、便器を密封するようにしてラップフィルムをかぶせますしっかり密封できるように、重ね合わせながら10枚以上使用します)
- ピッタリとラップフィルムで密封した状態で、少し水を流します
- ラップフィルムの中央の膨らんだ部分をゆっくりと手で押します
- つまりが解消するまで、サランラップを繰り返し押し込みます
ラップを使用する際には、誤ってラップを破ってしまわないように十分に注意してください。
使用し終わったラップフィルムは、トイレには流さずにゴミとして処分してください。
トイレつまりの緊急対策2:数時間待つ
トイレにトイレットペーパーや排せつ物などが詰まってしまったときには、時間が経過すると自然につまりが直ることもあります。
トイレットペーパーや排せつ物は水に溶けるので、まとめて流したときに一時的に詰まっても、時間が経過すると自然に溶けるということです。
この章では、トイレットペーパーや便が水に溶けるのを待つときのポイントについて解説します。
どのくらいの時間まで様子を見る?
注意しなくてはならないのは、待って自然に解消するときと、待っても状況が変わらないときがあることです。
重度の場合には、待っても状況が改善することはありません。
したがって、3時間程度待っても状況が改善しない場合には、別の手段を考えた方がよいでしょう。
効果を高める方法
水以上にものを溶かす力の強いものを使用することで、溶かす力の効果を高めることも可能です。
使用できるものは、以下のとおりです。
- ぬるま湯(40~50℃程度)
- 重曹+クエン酸(使用する際には、重曹を入れてからクエン酸を入れる)
これらの薬剤を使用することにより、ただ待つ以上の効果を期待することができます。
トイレつまりの緊急対策3:救急対応の水道修理業者に依頼する
救急対応の水道修理業者は、緊急時にも役立ちます。
水道修理業者に依頼すべき場面と手順について解説します。
依頼した方が良いとき
救急対応の水道修理業者を依頼した方がよい場面として、以下のケースがあります。
- 自分自身でつまりを解消できない(道具がない・技術に自信がない)
- 1分でも早くつまりを解消したい
- 応急処置だけでなく、予防法のアドバイスや点検なども依頼したい
当てはまる方は、水道修理業者の手配をおこないましょう。
依頼の流れ
水道修理業者に依頼する際には、インターネットにて地域の水道修理業者を探しましょう。
業者を依頼する際に最低限必要なのは、以下の点です。
- 対応エリア
- 駆けつけ時間
- 営業時間
特に深夜・祝日などは、営業時間外の業者もあるため、営業時間を慎重に確認しましょう。
一般的には、電話にて問い合わせして、オペレーターに簡単な症状を伝えた後に到着時間の目安を確認し、訪問を依頼するか否かを判断します。
正式に依頼をする場合には、訪問したスタッフに対してその場で契約をおこないます。
緊急で手持ちの現金がなくとも、クレジットカード払いや後払いに対応している業者もあるので、ホームページなどで確認してください。
トイレつまりの緊急対応を業者に依頼する際の注意点
救急時に水道修理業者を依頼する際に、注意すべきポイントがあります。
この章では、救急対応の業者依頼時に注意したいポイントを4点解説します。
無料での見積もりに対応しているか?
水道修理業者の作業費用は症状・状況・業者の料金の規定などにより変動します。
「見積もりをきちんと確認しないまま作業を依頼したら、想像を大きく上回る料金を依頼された」としてトラブルになるケースも珍しくありません。
したがって、水道修理を依頼する際には必ず見積もりをきちんと確認したうえで判断したいのですが、業者によっては見積もりが有料に設定されていることがあります。
有料の見積もりは依頼者側に負担が重いので、無料見積もりに対応している業者を選びましょう。
事前に作業内容が説明されているか?
水道修理料金は、作業内容によって変動するためきちんと説明を受けて納得した上で依頼したいものです。
例えば、緊急で応急処置のみを依頼したい場合には、将来のためのメンテナンスや配管洗浄などの作業は必要ありません。
作業内容がきちんと説明されることで、価格に対する納得感も得られるでしょう。
接客・対応は丁寧か?
夜間・早朝などに自宅に第三者を招き入れるのは、プロの業者といえども気がかりだと感じる方は少なくないでしょう。
また、感染症対策などの衛生面が気になる方もいらっしゃると思います。
このようなときに、丁寧な対応を心がけている水道修理業者であれば、安心感をもって作業を依頼できるでしょう。
アフターフォローが整っているか?
水道修理業者の技術面での安心感を確認するためのポイントの一つが、アフターフォローの有無です。
緊急での工事を依頼した場合であっても、正確な作業にてきちんと直してもらう必要があります。
このとき、技術力の高い業者に依頼をすることが重要ですが、作業スタッフ一人ひとりの技術力を依頼者が確認するのは簡単ではありません。
ただ、アフターフォロー体制が整っていれば、修繕がしっかり完了していなかった場合や作業中に事故が発生した場合には、責任を取ってもらうことができます。
まとめ
緊急の状況でトイレの詰まりが生じたときに、応急処置や緊急の対応方法は多数あります。
具体的には、身近にあるもので対応をしたり、24時間365日体制で対応している水道修理業者に依頼をしたりするなどの方法が可能です。スッポン(ラバーカップ)などのトイレつまり対策道具がなくても、全く打つ手がないということはありません。
ただし、水道修理業者に依頼する際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。